ポスト・コロナ時代の人事戦略ではアフター・コロナで必要となる組織・人事について考えていきますが、ここではBCP(事業継続計画)としてのダイバーシティ促進について紹介します。
・働き方において従来よりフレックスタイム制、リモートワーク(在宅勤務)等、ダイバーシティ推進の一環として取り組まれていたが、従来は「少数の個人のための働きやすさ」にフォーカスされていた。しかしながら今般、BCP※の観点からも「すべての社員を対象とした事業継続・ダメージコントロール上の必要」でもあることが明らかになっており、両者の統合的な施策運用が求められることになる。
・ダイバーシティ推進は決してマイノリティー支援に限られるものではなく、事業の持続的な発展にとって必須となるものであるという観点にたつ必要がある。
・この延長線上には職務設計やワークシェアリング・副業等、働くこと自体に対して制度面・個人であれば意識面の変化も起こる。リモートワーク(テレワーク。WFH)など分散型の就業形態においては、今まで以上に自律型の人材が求められることになり、優秀な人材の要件と認識されるようになる。
・逆に言えば、ポスト・コロナ時代において継続的に優秀な人材を獲得・定着していくためには、いかに分散型就労を実現する環境と人事制度(職務要件、評価等)を整備し訴求していくかがポイントとなる。また、育成においてオンボーディングや階層型など全員が一律に受講するものと、個別・選抜型のものの区分もでてくるであろう(集合型研修や海外出張・赴任などの心理的・物理的コストが高くなる)
※BCP(事業継続計画)とは自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のこと。